肌トラブルは、だれもが抱えている身近な問題ではないでしょうか。しっかりスキンケアしてるはずなのに肌荒れしてる..とお悩みの人、実は大事な基本を見落としているかもしれません。「美肌大国」韓国の皮膚科専門医が、アイドル出身女優 ペ・スジのような欠点ひとつない美肌になるための方法を、基本から解説してくれました。
皮膚科医シム・ヒョンチョル先生直伝の、高額な美容皮膚科での施術ではない、家でできる肌のケア方法を以下で紹介します。
スジの美肌
ドラマに出てくるスジは、役柄上濃いメイクをすることがほとんどないにもかかわらず、高画質ドアップでも肌に一つの欠点も見つかりません。つやつやで透明感のある、全女性の理想の肌を誇っています。そんなスジのような自然で美しい肌を作るためには、いったい何をすればよいのでしょうか。
▼スジ
きれいな肌の条件
まずシム先生が解説したのは、きれいな肌の条件。「美肌」というだけではざっくりしすぎているので、いったいどんな肌が美肌なのか、わかりやすく定義付けしていきます。
皮膚のトーンが均一
シム先生いわく、白い肌がきれいな肌、とは限らないそう。本当にきれいな肌というのは、肌の色に関係なく、肌全体のトーンが均一である肌のことだそうです。
肌のトーンが不均一に見える要因として思い浮かぶのは、シミやほくろ等のメラニン色素を含む茶色の肌トラブルですよね。しかし、肌のトーンに関するトラブルはこれだけではありません。炎症や血管から来る「赤いトーン」、なんだか顔が黄色がかって見える「黄色いトーン」も、見落としがちですが、肌のトーンを不均一にしてしまう大きな原因のひとつです。
自分の肌をよく観察し、肌のトーンを不均一にしている原因を見極めてそれを除去することが大切です。
肌質が均一
しわや毛穴、傷、吹き出物等のトラブルがなく、肌全体に何もない、なめらかな状態になっていることが、「肌質が均一になっている」ということ。
皮脂量は少なく、水分含有量は多く
この状態を維持することで、毛穴は小さく、ニキビはできにくく、つやのあるしっとりとした健康な肌になることができます。
弾力(ハリ)のある肌
ハリのある肌を維持することで、光を放つようなツヤとなめらかさを演出することができます。
以上が、美肌の定義です。つまり、このたった4つを管理すれば、だれでも効率的に美肌を目指すことができるのです。
管理方法
皮膚のトーンを均一にする方法
・日焼け止めをしっかり塗る
皮膚トーン維持の一番の大敵は、紫外線。日差しに含まれる紫外線は、皮膚内のメラニン合成を増加させ、肌を茶色くしてしまうだけでなく、紅潮を引き起こすため、赤みまで出てしまいます。塗りなおす目安は3時間。
・肌に摩擦や刺激を与えない
摩擦や刺激が加わることで、肌が損傷し紅潮を悪化させてしまいます。シミの悪化の原因も、実は摩擦等の刺激が深く関係しているとか。
・顔の黄味を除去する
なんとなく肌が黄色っぽい、くすんで見えるときの原因として考えられるのは、1つ目がビリルビン数値が上がることによって生じる「黄疸」(肝臓や胆のう、胆管にトラブルが起きている)、2つ目がカロチンを含んだ食べ物を食べすぎることによって生じる「カロチン血症(柑皮症)」が考えられます。
黄疸は病気なので、血液検査を受けてみてビリルビンの数値が高かったらそれに合わせた治療が必要になってきます。カロチン血症の場合は、カロチンが豊富に含まれるミカンやカボチャ、ニンジン、ほうれん草等を控えめにすれば改善されていきます。美肌やダイエットのためにこういった食品をよく食べている人で、顔の黄味が気になる方はこのカロチン血症を疑ってみるとよいでしょう。
・熱いお湯で顔を洗わない
熱いお湯も、肌には大きな刺激になります。極度に熱が加わることで毛細血管が一気に拡張し、赤みを強めてしまいます。顔を洗うときは、ぬるま湯で優しく洗いましょう。
肌質を均一にする方法(ニキビ、毛穴等をなくす方法)
・皮脂が毛穴に溜まらないよう、クレンジングに気を遣う
肌がテカテカと光ってしまったり、ニキビが発生するのは、この皮脂が大きな原因です。皮脂によって開いてしまった毛穴やニキビを隠そうとして化粧が厚くなり、落ち切らなかったメイクが皮脂をさらに増加させ・・という負のスパイラルに陥りがちです。
そのため、普段からダブル洗顔をして毛穴の皮脂をきれいに洗い流すことが重要です。シム先生の強力なおすすめは、オイルクレンジングだそうです。
また、肌質上どうしても皮脂が多いという人は、油分の多い化粧品は避けたほうがよいでしょう。
・スキンケアの種類を減らす
肌によいものをたくさん与えようと、乳液、水分クリーム、ナイトリペアクリーム、弾力クリーム・・とやみくもにたくさん塗り重ねるのはNG。化粧水で肌に与えた水分を密閉するための油膜の役割を果たすクリームを何層も重ねてしまうと、毛穴が詰まって皮脂が溜まってしまいます。クリームの塗りすぎには要注意。必要なものだけ塗るよう心がけましょう。
・皮脂を増やす食べ物を減らす
皮脂を増加させる食べ物とは、GI数値(食後血糖値の上昇度を表す数値)の高い揚げ物や炭水化物、乳製品等が挙げられます。これらの食品は、IGF-1という皮脂を増加させるホルモンが多く作られる食品です。一切絶つのは健康上よくないので、減らすことを意識するとよいでしょう。
・表情をリラックスさせる習慣を作る
なぜ突然表情?と不思議に思われたかもしれませんが、これはしわを予防するためのポイントです。眉間や額、あご、目の周りの筋肉が収縮することでしわが発生します。これを予防するために、時々顔全体の力を抜いて、顔の筋肉をリラックスさせる習慣をつけることが大切です。
皮脂量ダウン、水分含有量アップのためのポイント
・洗顔後すぐに保湿アイテムを塗る
洗顔時の水分ができるだけ蒸発していないうちに、化粧水等の保湿剤を塗ることで、皮膚の水分量がより高くなり、乾燥も防げるため皮脂の分泌も抑えることができます。
・水分摂取量を増やす
化粧水等のスキンケアアイテムは、自身が持っている水分と化粧水の水分が引き寄せられることで水分が蒸発してしまうのを防ぐものなので、体の中に水分がない状態で化粧水等を塗っても意味がないそうです。水を普段から意識して摂取することが、何よりも基本です。
・低分子量ヒアルロン酸を塗る
ヒアルロン酸は、皮膚への水分供給だけでなく、皮膚組織の再生や修復機能も持っています。ヒアルロン酸が肌によいことは以前から知られており、ヒアルロン酸含有の化粧品も多く売られています。どれも同じように見えますが、最も肌に効果的なのは、分子量を下げたヒアルロン酸が含まれているもの。分子量が下がっていることで、肌への浸透率が格段によくなるそうです。
肌に弾力(ハリ)を与える方法
・総合ビタミン剤を服用する
活性酸素が肌の弾力を減少させ、肌を老化させるというのは有名な話ですよね。これを阻止してくれる強い抗酸化作用を持つのが、ビタミンCです。また、ビタミンDは皮膚障壁を健康に再生する効果があります。これをしっかり摂取することで、内側から肌の弾力を守ってくれます。
・ビタミンAを含む製剤を塗る
最近よく聞く「レチノール」は、このビタミンAが含まれた製剤です。ビタミンAは皮膚細胞の再生と、コラーゲンとエラスチンの生合成を促進させる効果があります。これらが活発に行われることで、肌の弾力性が高まり、ハリのある肌に導いてくれます。
・タンパク質を含む食品を十分に摂取する
タンパク質構成が多くを占めるコラーゲンは、皮膚の弾力を維持するために必須の成分です。十分なタンパク質を摂取することが何よりも大切です。
・十分な睡眠
睡眠が不足すると、酸化ストレスが増加し皮膚の老化を招いてしまいます。また、日中に受けた肌の損傷を回復する時間が十分に得られず、皮膚障壁の傷が残ったまま、また次のダメージが重なり・・という悪循環に陥り、肌のハリがみるみるうちに失われてしまいます。皮膚の水分量も減少してしまうそうです。
以上、スジのような美肌を作るための方法を紹介しました。どれも大金をかけることなく家で意識できることばかりですよね。やみくもにスキンケア製品を買ったりする前に、以上のことを意識するだけで、肌質から根本的に買えることができるかもしれません。ぜひ実践して、韓国人のような美肌を目指してみるのはいかがでしょうか。